やわたはま地方創生ちゃんねる

マーマレード部長の徒然日記

日本有数のみかん産地「八幡浜」からの地方創生への挑戦

【はじめに】

皆様はじめまして。愛媛県八幡浜市役所で企画財政部長を務めています今岡植(いまおかうえき)と申します。2017年7月に、財務省からの出向で八幡浜市に参りました。まず、平成30年7月豪雨で犠牲になった皆様にご冥福をお祈りし、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。当市においては、幸い人的被害はなかったものの、土砂崩れや住宅損壊など甚大な被害が発生しました。インフラの復旧や今でも避難されている方々への対応に万全を期してまいる所存です。

さて、このブログでは、愛媛県南予地域、そして八幡浜市における地方創生の取組について紹介していきたいと思っています。今日は、「そもそも日本政府が進める地方創生とはどのような施策なのか」をご説明した後、「八幡浜市ってこんなところ」という概要をお話させていただきます。


【国の地方創生政策とは】
2014年9月、内閣官房に「まち・ひと・しごと創生総合本部」を設置し、初代地方創生担当大臣に石破茂氏が就任しました。

現在の地方創生の取組の契機の一つとなったのは、元総務相増田寛也氏が中心となって取りまとめた、通称「増田レポート」であると言われています。このレポートは、現在のペースで人口減少が進むと、全国約1700ある自治体の約半分(49.8%)が消滅の可能性があるいう衝撃的な内容で、全国的に大きな波紋を起こしました。

「人口減少」を重要な政策課題として正面から捉え、地域の活性化を通じて人口減少問題の解決を図ること、これが地方創生です。


【キーワードは「主体性」と「自立」】
地域活性化については、各地域の主体性を生かすような制度設計に努めています。北海道から沖縄まで、気候・環境・産業など、それぞれの地域が置かれている状況は千差万別であるため、国が画一的な政策を提案することは不可能です。それぞれの地域が、自らの状況・特性に応じた処方箋を「主体的に」描くことが重要であり、こうした取組を後方支援することが国の任務である、と整理しています。

また、地域の「自立性」を重要視しています。国や県などに過度に依存するのではなく、地域自らが稼ぎ、地域社会を運営していくことが、地方創生の本懐です。

硬い説明になってしまいましたが、要するに、「最近の地方は若い人が減ってしまって元気がない。なんとか街を賑やかにすることで、若い人や地域外の人が生活したいと思うようなまちづくりをしよう」ということです。


【地方創生人材支援制度により派遣】
国は、カネ(地方創生に関する新たな交付金)、情報(RESASという新しいデータソフト)、ヒト(地方創生人材支援制度)の「3つの矢」により、意欲のある地方を支援していく方針を打ち出しました。このうち、地方創生人材支援制度(通称「シティマネージャー」制度)は、国家公務員等を、原則人口5万人以下の自治体に2年間派遣し、首長の補佐役として地方創生に係る政策を推進させるという制度で、2015年に開始しました。小泉進次郎衆院議員が、東日本大震災後に、被災地に派遣され、活躍していた国家公務員を見て、全国的に制度化するよう提言したことがきっかけの一つのようです。

私は、この制度に基づき、2017年7月に財務省から八幡浜市役所に派遣されました。それまでは、財務省において法令審査・国会担当、国税調査や国際金融などを担当した後、2年間米国にて留学していました。当該制度を知り、地方創生の現場で汗をかきたいと思い、実際に派遣に至りました。

派遣されて1年2か月が経過し、残る任期は10か月となりました。これまで、市外との関係深化や、街が元気になるための基盤整備に努めてきましたので、今後このページにおいて紹介していきたいと思います。

 

八幡浜市の位置と概要】
八幡浜市について説明します。八幡浜市愛媛県の南西部(南予(なんよ)地域と言います)に位置します。北は瀬戸内海、西は宇和海(対岸は九州の大分県)に面し、海沿いの山にみかん畑が広がる日本有数のブランドみかんの産地です。みかんや漁業など当市の主幹となる第1次産業については、また詳しく説示したいと思います。

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八幡浜市の人口の現状と見通し】
人口は約3万4千人ですが、2045年には1万7千人を下回ると推計されています。あと25年ちょっとで、人口が52%減少するのです。街から人が半分いなくなると思うと恐ろしい気がします。要因としては、先ほども少し触れましたが、若い人(特に若い女性)の数が少ないことが挙げられます。人口対策の観点からは、若い人が戻ってきたくなる(Uターン)、非出身者も移住してみたくなる(Iターン)まちづくりが必要となってきます。


【結びに】
今日は初回ということもあり、概論的かつ抽象的な話になってしまいましたが、今後はなるべく具体的な取組を紹介していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。